子どもの夢遊病とは

こどもの睡眠障害について

お子さんは寝ているときに突然起きて、部屋の中を歩き回ったり、リビングに降りてき来たり、ウロウロと廊下を歩いていることはありませんか?

さらに、夜中に寝ているのにも関わらず大きな声を出したり、泣き叫んだり、悲鳴を上げたりすることはありませんか?

これらは夢遊病や夜驚症と言われる、睡眠障害(正確には睡眠時随伴症)の一つとして考えられています。

 

夢遊病とは

夢遊病とは医学用語では「睡眠時遊行症」といいます。

 

睡眠中の子どもが自覚のないまま半ば無意識の状態で歩き回る現象で、小学校低学年から中学生までに最も多くみられます。通常、夢遊病は睡眠の最も深いノンレム睡眠で起こります。

 

夢遊病で歩き回っている子どもの脳の活動状態は、通常の睡眠状態とは異なっていますが、睡眠中より覚醒時のものに似ています。歩きながら繰り返し何かをつぶやいたり、障害物にぶつかってけがをすることがありますが、ほとんどの子どもは睡眠中に歩き回ったことを覚えていません。

 

お子さんがイベントが重なって睡眠不足になったり、遅くまで映画やテレビ、ゲームをしていて目がさえるような行動をすると夢遊病が起こりやすくなります。

 

お家でできる対策

通常、子どもの夢遊病には特別な治療は不要ですので、一般的な対策である程度の改善はできます。

 

  • お子さんの睡眠を改善する取り組み、例えば、就寝前はテレビやゲームなど、特に脳の視覚野を刺激する行動を避ける。
  • 子ども部屋や子ども部屋に接する廊下の明かりを点灯したままにしておくと、夢遊病自体を抑えられることがあります。
  • 夢遊病により怪我をしたり、危険な行動があった場合は、お子さんがベッドを離れるとアラームが鳴るような装置を付けます。

お家でできる予防

夢遊病によるお子さんのけがを予防するには、次のような対策が役立ちます。

 

  • 無理に目を覚まさせると興奮することがあるため、お子さんがベッドに戻るよう保護者は優しく誘導してください。
  • 夢遊病のお子さんには、ベッドから出るときにけがをしないよう、低めのベッドや床に布団を敷いて寝るように気をつけてください。保護者の方が添い寝することも大切な取り組みです。