子どものむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
むずむず脚症候群は、“むずむず”の病名にもよく表れているように、眠る前に足にむずむず、ジリジリといった不快な症状が現れる病気です。この病気があるお子さんは、寝ようとすると起きて歩き回ったり、常に足を動かしたり、ベッドで寝返りを繰り返したりするなどの動作が見られます。
なぜなら、この症状は歩いたり、脚を動かしたり伸ばしたりすると、足の不快感を和らげることができるからです。
さらに、一部のお子さんではもうひとつの症状『周期性四肢運動』もみられるときがあります。これは、睡眠中に30秒間隔で足首をカクッカクッと蹴るようなけいれんを伴うので、症状が出ると再び目覚めてしまい、眠れなくなります。
成人ではむずむず脚症候群の50〜80%にこの周期性四肢運動を合併していると考えられています。
お子さんでもストレスを受けているとこの症状が出やすくなります。
むずむず脚症候群の発作は、たまにしか起こらない場合もあれば、週に何回も起こって睡眠不足になり、集中や活動が困難になる場合もあります。
診断
子どものむずむず脚症候群は、多くの場合、保護者による症状の説明から診断できます。
病院では、血液検査と尿検査を行って、貧血、鉄欠乏症、腎疾患や肝疾患など、原因になりうる病気がないかを調べます。
また、睡眠ポリグラフ検査も行います。これは、睡眠中の脳の活動、心拍数、呼吸、筋肉の活動、眼球の動きをモニタリングします。夜間の就寝中にビデオ撮影を行って、四肢の動きを記録することもあります。
治療
カフェインは症状を悪化させる可能性があるため、なるべく摂取しないことが必要です。
血液検査で貧血があり、さらに血液中の鉄の濃度が低ければ、鉄剤を服用することで改善する場合もあります。
思春期の患者さんで症状が著しく悪い場合は、クロナゼパムなどの抗てんかん薬を用いることもあります。