不眠症とは

こどもの睡眠障害について

子どもの不眠症には大きく分けて「寝付きの悪さの問題」と「睡眠の持続の問題」の2つがあります。これらの症状により昼間の生活に困難が生じれば不眠症と考えてよいでしょう。

不眠症を引き起こす要因としては、朝起きてから寝るまでの生活リズムの乱れ、遅い時間の昼寝や日中の活動不足、過密スケジュールなどがあります。

「寝付きの悪さの問題」=入眠困難(寝つけない)

  • 「布団に入ってもいつまでも寝ない」
  • 「寝かそうとするのに、布団から出て遊ぼうとする」
  • 「寝ないでいつまでも布団の中でふざけている」

近年はこれら様々な理由で、すぐに寝付けない子どもが増えています。

このような状態が続くと睡眠不足になるだけでなく、入眠してから分泌される成長ホルモンの不足にもつながります。

入眠困難の具体的な症状は以下があげられます。

  • 布団に入ってから寝付くまで30分以上かかる
  • 日によって眠りにつく時間が大きくばらつく(90分以上)
  • 眠りにつくのが深夜になる(午前0時を超える)

子どもが布団に入ってから眠りにおちるまでの時間は、2~5歳で平均13分、5歳から12歳で平均16分です。この時間が長くなれば長くなるほど入眠困難感が増します。

入眠困難の原因

「すぐに寝付けない」、「なかなか寝てくれない」その理由は様々です。

  • 午後3時以降の昼寝
  • 日中の活動不足
  • 夕食の時間が遅い、寝る前に何か食べる。
  • 就寝間近にお風呂に入る。
  • 就寝2時間前になっても運動やスポーツをしている。
  • テレビやゲームを就寝直前まで行う。
  • 寝る前に言い争いやけんかが絶えない
  • 布団の中で携帯を見たり、漫画を読んだりする。

お子さんにこれらの習慣があるようでしたら、スリープヘルスのためにも徐々に止める、改善した方が良いと思います。

実際の患者さん

患者さんは小学校3年生の男の子

家族は父母と兄の2人兄弟で、父と母ともに自営業のため帰宅が21時近く。兄と本人もその時間まで起きていることが多い傾向にあります。

本人は保健センターで発達障害の疑いとしてフォローアップされていました。両親もすぐに寝かせようと布団へ入るように促しますが、興奮して寝付けない、勝手にテレビをつける、かんしゃくを起こすことがありました。

その結果、起きるのがお昼近くになり、不登校もみられたため受診しました。家庭で睡眠モニターを装着し、睡眠覚醒リズム表などをチェックした結果、寝付きが悪く、睡眠途中で起きてしまう『中途覚醒』がみられたので、入眠困難症と診断して、治療を開始しました。

「睡眠の持続の問題」=中途覚醒(睡眠中に途中で起きる)

  • 「眠ってからすぐに起きてしまう」
  • 「夜中に起きると、再び寝付くのがむずかしい」
  • 「夜中や明け方早くに起きてしまう」中で起きる)

成長ざかりの子どもは布団に入って寝付くと、朝まで起きることなく熟睡出来るのが普通です。

診断は、

  • 夜間睡眠中に3回以上起きてしまう。
  • 深夜に一度起きると30分以上寝付けない
  • 20時から21時頃に寝ても3時〜4時には起きてしまう。

これらのいずれかの症状があれば、中途覚醒とよばれる不眠症の疑いがあります。

中途覚醒の原因

「寝たと思ったらすぐに起きる」「深夜に起きて大泣きをする」「早朝におきて、その後は二度と眠れない」などの原因には以下のものがあります。

  • 学校や保育園での精神的なストレス
  • 就寝前に叱られる、怒られる
  • 遅い時間の昼寝
  • 寝る時間、起床時間のずれ(概日リズム障害:次の項を参考
  • 寝ている時の大きないびきや鼻づまり(睡眠時無呼吸症候群)
  • 身体のかゆみ:アトピー性皮膚炎
  • 喘息発作

>次は概日リズム障害(不規則な睡眠リズム)ついて